2004/5/2

石井ゆかり
日頃
口癖のように
運に善し悪しは
ナイ

言い暮らしている。
原則的には
確かにそうだ。
手に入ることにも
手に入らないことにも
痛いことにも
苦しいことにも
それが出現するだけの意味がある。

思っている。
心底。

しかしだ。
そうは言ってもだな。
嫌な日
って
あるもんだ。
昨日はちょうど
そんな日だった。
疲れてて
肩こりで
肌荒れで
風が強く
家族にけなされ
隣室が夜中まで
来客で騒々しい。
なんだかとても
ひとりぼっち。
細かいけど
ちくちくすることが
重なる。
うまくいかない ことばかり。
やなことばかり
思い出す。
悪いことばかり
想像しちゃう。
そういう日って
あるもんだ。

こんなもやもや
時間が経てば
洗ったように
消え去る。
ウソみたいに
元気な日が来る。
ってのは
知っているのだ。
この年になると
苦痛が
いつまでも
続いたりしない
って
よくわかってる。
若いときはそうじゃない。
ちょっとでも辛いと、この辛さが永遠に続いて二度と立ち上がれないんじゃないかと思ったもんだ。すぐに、死んでやる!って思ったもんだ。ふ。
青かったあのころ。

誰が言ったか知らないが
日にち薬
時間薬
ってもんがあるのだ。
時が経つだけで
びっくりするほど
回復するんだ。
だから
ガマンもできるわけだ。
ヘコミ上等。
煮詰まり歓迎。
じりじり飽きずに煮詰めていったら、いつか乾いてしまう。

誰か心理学者の実験で、そういう記事を読んだことがある。
あることに悩み続けていると、いつか臨界点みたいなのが来て
ばっ
と解放されるんだそうだ。
被験者が
「不安」
状態にある時、集中して絶え間なく活動していたある脳細胞群が、その状態で一定時間を超えたとき、
ぱっ
と解放されたんだそうだ。つまり、休まる。活動を、やめる。
煮詰まって、
ぱっ
と切れる。
永遠に悩みたくたって、悩めないんだ。
どんなに大事な人が死んでも、ずっと同じ調子で嘆き続けるなんて、ムリなんだ。
だったら
自然におさまるまで
やっとけ、自分。
と思ったり
したりして。

最近の風潮では
うじうじ悩むのは悪いことだ。早く吹っ切って次にいきなさい。割り切って前向きになりなさい。
ということに
なっている。
でもね。
むりやり吹っ切っても
その脳細胞の固まり、またすぐに
活動
を始めるんじゃないかという気がするのだ。
悩みも痛みも
生煮えは
イカン
という気がするのだ。

別に私が
精神的に
オトナになった
わけじゃなく
経験則
が増えただけなんだが。

考えてみれば 私が凹んでて 「困る」のは
会社の人とか
家族とか
つまり
私を効率的に使用したいと思っている人々
だけなわけで
私がへこんでても
私は
わりと
こまらんぞ。

というわけで
気持ちよく
思い切りよく
いやな気分です。
どよーん。


過去を振り返る
もどる